159夜前なイメージで。
「ったくなんで俺がこんなこと・・・」
「しゃーねーさ。 人手が足りてねーんだし。・・・うおっ!とと・・・」
「おわっ!! あっぶねーな! 刻むぞテメェ!!」
「ユウちゃんかりかりしすぎさー・・・・ちょっとよろけただけじゃん」
「フン」
ユウはそのままスタスタと進んで行ってしまう。よろけて落としそうになった荷物をなんとか抱え直して、俺は小走りにそのあとを追いかけた。
「しっかし無駄に重てーなー。何入ってんだろ?」
「俺が知るか。 研究資料とかだろ」
いかにもどうでもいいといった感じで、ユウは手に抱えたダンボールに一瞥をくれた。俺も自分の運ぶダンボールに目を落とす。こっちの中身はなんだかカチャカチャいうような音も聞こえるし、多分薬関係のような気がするのだけど。
先頃の襲撃のため、教団本部は場所を移すことになった。今はそのための引っ越しの手伝いをさせられている。婦長に見張られての囚人生活のような病室を出られたのは嬉しいが、教団内はどこも引っ越しの準備でざわめいて落ち付かない。修行する雰囲気でもないし、遊んでいられる空気でもないし、結局の所手伝うくらいしかやることはないのだが、とはいえひたすら段ボールを運ぶという単調な作業にも気がめいってきた。ユウのイライラも数倍増しだし、これを運び終えたら二人でばっくれてやろうか、そんなことをつらつら思いながら廊下を足早に進んだ。
「あー・・・めんど」
「だまって歩け。余計イラつく」
「・・・・・・八当たりさー」
「当られたくなかったら口閉じろって言ってんだよ」
「・・・・・・」
大人しく口を閉じてて、ユウの後ろ姿を見ながらこっそりため息をついた。まったくこの人は。せめてもの意趣返しと、ぴこぴこ揺れるポニーテールに手を伸ばした。そっと掴んで軽く引く。
途端、鋭い回し蹴りが飛んできた。
ガチャン。
「うおおおッ!! あっぶねーさ!!」
「気安く触んじゃねーよ馬鹿ウサギ・・・!」
「おま・・・それにしたって回し蹴りはないさ・・・・・」
「避けたじゃねーか」
「そりゃ避けますけど。 でも今は荷物っていうハンデがあるさ。 少しはそれも考慮して・・・・ていうかさっきなんか変な音した気がすっけど大丈夫か、」
な。
最後まで言い切る前に、俺の手にした段ボールから謎の煙が立ち上り始めた。
「「!!」」
俺たちはまともにその煙を吸い込んで、そして――
「・・・・あは、ははは―・・・・・」
「・・・・・・・殺す」
煙が晴れたころには、妙に低くなった視点の先で、えらくプリチーなユウが青筋立ててこちらを睨みつけていた。
ちょ、科学班・・・!(ラビたん心の叫び)
喜べばいいのか悲しめばいいのか、複雑な心境と推察されるラビさんに合掌。
本誌仔ラビュはまさに青天の霹靂ですけども、まぁなんていうか萌えますよね(なんだそれ)
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