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※137夜ネタバレのようなそうでないような・・・・・
かたん、と音がして振り返れば、戸口の所に燃えるような赤い髪の男。
ちらりとその色を目の端にとらえて、俺はまたガラスの器に視線を戻した。
「飯食いに行ったんじゃなかったのか」
「食べて来たさ。 ほいこれ、ユウの分」
「・・・・・その辺に置いとけ」
別段食欲もわかなかったが、とりあえず指示を出せば動く気配がした。
俺はベットに腰かけて、ただ蓮の花を見つめ続ける。
軽い振動の後、人間の重みと温もりを左肩に感じた。
「・・・そんなに熱心に見て」
どうにかなるもんなんさ?
俺の髪をすき、落とし、繰り返しながらラビは、どこか無機質な声で。
その問の答えを持たない俺は、ただ沈黙をもってそれに代える。
「・・・ユウ」
こっち向いて。
しぶしぶ顔を動かせば、重なる唇。
それでも横目で花を見つめ続ける俺に気付いたのか、自分に集中しろとばかりにラビはキスを深くした。
ユウちゃんだけ食堂にいなかった件。
蓮の花とか梵字とか、そろそろちょっとくらいネタばらしてくれてもいいと思います。 気になる!